刃付け
突然切れなくなって困ったことはないですか?
長年はさみを研いでいるので、経験したことからはさみのことが解ってきます。 刃の粗さで切れが変わり、永切れも変わります。少しのことで切れ、永切れに影響します。研ぎ方でバリ(金属の研ぎカス)の付く量も変わってきます。バリが残っていると硬い切れになります。
以前 「最高に切れるハサミの研ぎ」を目指して随分と研ぎの方法を試し、お客様に提供してきました。「切れると」喜ぶお客様と「切れすぎて」怖いと思うお客様に分かれました。切れるハサミで起こったことは 研ぎ終わったはさみを ペットサロンのオーナー(30代女性)に手渡し 会話していました。しばらくすると手のあちこちから血が出ていました。初めて研がせていただいたお店なので、今までの感覚ではさみを触ったそうです。今までは月に一度研いでいたとのこと。 研ぎ方で切れが変わります。
研屋として困ったことがあります。 切れが向上すると永切れすることが解ってきました。研ぎのサイクルが永くなり廃業を決意したこともあります。 苦肉の作で研磨剤の配合を変えて「切れすぎ」を落としました。それでも永切れします。
一番の「切れすぎ」はダイヤモンドペーストかダイヤモンド砥石を使えば実現できるが 二番目に切れる研ぎに何を使うか これを探すのに時間とお金がかかった。
「切れすぎ」を一度経験したお客様からクレームが来ました。それで、研ぎ方を3種類作り値段を変えたこともあります。
今では研磨剤を調合して「使いやすい切れ」を提供しています。ソフトな切れで使いやすく理容店・美容店・トリマー様に好評です。
永切れの要因は 研ぎ方とお客様の管理です。セーム皮でしっかり拭いてバリを取ってください。手を切らないように刃をしっかり拭きます。しっかり拭くとはさみの開閉が軽くなります。 バリが取れて切れが復活します。訪問すると何年も使ったボロボロのセーム皮を使っている人がいます。捨ててしっかりした新しいセーム皮を購入をお勧めします。
理容店の顧客ですがシザーの研ぎは1~1年半に一度研ぎます。先日セニングを2丁研ぎました。1丁ファルコ 1年ぶり、Turf cutセニング 約2年ぶりの研ぎ。他の理容店はシザー2丁を交互に1年に1丁研ぎます。
どちらも繁盛店です 革で拭いています。